イベント概要
期間
2025年3月12日10:00 から 2025年3月24日03:59 まで
参加条件
- 冒険ランク20以上
- 魔神任務プロローグ第三幕「龍と自由の歌」をクリア
- 世界任務「たたら物語」のクリアを推奨
ミニゲームのルール
- ステージごとに、およそ12個の「動画素材」と期待される「あらすじ」が提示される。
- あらすじに従って動画素材を並べ替えることで目標達成。スペシャルコメント(追加の報酬)がもらえる。
- クリア後は素材使用と長さの制限が緩和され、より自由に実験ができる。
感想
めちゃくちゃ面白かった。現代文や英語でごくまれに出てくる文の並び替え問題が大好きだったのですが、その楽しさを思い出しました。
ゲームとしての面白さ
原神のイベントでは毎回、本筋とは全く関係ないミニゲームが驚くほど練り込まれていることに感心させられます。多くの場合、ゲームとしての難易度が簡単すぎて物足りなさを感じたり、モロパクリすぎて心配になることもありますが、今回のイベントは絶妙な難易度設定により、適度な思考の余地が生まれ、たいへん楽しめる内容となっていました。また、ゲームシステムについても既存の何かのパクリではなく、ある程度のオリジナリティはあるように思います(これは自分が知らないだけの可能性がありますが)。
さて、並べ替えの手がかりは
- 文脈
- あらすじに登場するキャラクター名(ドメイン知識)
の2つに大別されるわけですが、このバランスが大変上手でした。 どのステージも、キャラクターの外見や性格、他のキャラクターとの関係性を把握していれば容易に解けますが、そうした知識がなくても文脈から正解を導き出せるよう工夫されています。
ステージ構成にもこのバランス調整の妙が表れています。前半のステージではドメイン知識の重要性が高く設定されていますが、後半に進むにつれてその必要性は徐々に薄れていきます。最終ステージに至っては、ロールプレイングゲームの場面設定となり、原神の世界観に関する知識がほとんど不要になります。これはおそらく、フォンテーヌ地域までストーリーを進めていないプレイヤーへの配慮なのでしょう。
パロディについて
第一ステージがエルシャダイパロディだったのには爆笑してしまいました。
エルシャダイって日本の外でも有名なのか、と思って調べたのですが、確かにKnow Your Memeの記事はあるものの、英語圏でこのパロディに言及している例は一つしかありませんでした。
そうなると英語圏だとこのパロネタはあまり楽しめなかったのかな…と思っていたのですが、更に調べたところこれは HELLDIVERS 2 のパロディでもあるらしい。そして、英語圏ではこちらの言及に関するコメントの方が多かった!
こういうことは、銀河中で起きている
こういうことは、モンド中で起きている
複数の文化圏で通用するようパロディを二重に仕込んであるのすごい。さっきの難易度調整的な意味でも、文脈とドメイン知識に加えてパロディ元の知識が手がかりとして加わるわけで、それをチュートリアルとしての役割を持つ第一ステージで実行したのは、天才的であるように感じます。
というわけで、このイベントで登場したパロディについてもっと詳しく調べてみました。
第二ステージに関しては、微妙に「三時のおやつは文明堂」のヴァイブスを感じます。他に指摘している人が見当たらなかったので、これはちょっと冷奴すぎるかもしれませんが。
第三ステージについてはガッツリ、モンハンワールドのCMのパロディだそうです。懐かしすぎる。
第四ステージについてはパロディに関する情報は見つかりませんでした。
第五ステージではナヴィアさんがWojakミームと同様の姿勢を取っているようです。
真面目な話
あらゆるミームをパロっていくのは、単にオモロというだけではない重要な意味を持っているんじゃないかなと思いました。Wojakミーム以外は全部ゲームCMのパロディというのは実に興味深い点で、なんというか、運営からプレイヤーに対する、「我々も君たちと同じゲーム好きのオタクだから安心してくれ」みたいなメッセージを感じます。
ちょっと過激なことを言うと、自分が国産のゲームの大部分に失望しているのは、「このゲーム、本当にゲーム好きな人が作ってるとは思えないな」ってパターンがあまりにも多いからなのです。
直近の象徴的な出来事としては、BLUE PROTOCOLのサービス終了なんてイベントがありました。あのゲームの何が問題だったかについては色々な意見がありますが、一番印象的だったのは「ゲーム好きが作ったとは思えない」という批判でした。
ブルプロは派手に爆発した一例に過ぎず、国内のどのパブリッシャーが出すゲームについても、個人的にはわりと同じ印象を持っています。
さらに言えば、この批判はゲームに限らずあらゆるメディアについても刺さる気がしています。「お前は本当に[任意のコンテンツ]が好きで作ったのか?単に金儲けがしたかっただけじゃないのか?」という気持ちになることがあまりにも多すぎる。
そして原神がいいゲームだなと思えるのは、このゲームの裏側には間違いなくゲームが好きなオタクがいると確信できるからです。直接的な利益に繋がるとはとても思えない謎のこだわりが要所要所に感じられ、そこにゲームに対する愛と、そこはかとない心地よさを感じてしまうのです。
それが良いことなのか悪いことなのかはなんとも言えませんが。悪い方向に考えれば、それはミームがもたらす仲間意識を悪用することで売上を上げようとする巧妙な戦略であり、自分はそれに上手く乗せられているだけ……というふうに捉えることも可能です。
しかし私としては、これらのパロディは純粋で誠実な”オタクの悪い癖”の発露だと信じたいところです。
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